2011年01月14日

ためしてガッテンを考察してみました。

 ためしてガッテンで、「緑茶の効能」が話題になりました。
そこで、番組の検証をしてみます。

 結論から言えば、「春野の茶」でも同等の効果が期待できます。
または「春野っ粉」を数グラム追加でもOKです。

 お茶の産地での飲み方の特徴では、
・葉を頻繁に取り替える
・やや濃い目に淹れる
 傾向があります。

 さて、がん死亡率ランキングの浜松市は7位と8位ですが、
掛川市の2位と1位との差は誤差の範囲です。
分母が800弱の市や区のなかですから。

 ガッテンでは
>人口10万人以上の市や区の
>がん死亡率ランキングを見てみると、
>面白いことがわかりました。

 とあります。市や区であって、町村は抜けているわけで、
当然、川根や浜松市に合併してしまった春野町は出てこないわけです。
そこで、現在の静岡県「がん標準化死亡比」がん総数をみますと、この地域も低いことが分かります。

 第一、元気な高齢者とか医療費に関しては、山間地を無視してほしくないですね。

 小國伊太郎氏の論文には1969年~1983年の胃がんのSMRのデータがありますが、
天竜川上流部(現在の浜松市天竜区)と大井川上流部(川根)が明らかです。
この地域は、普通煎茶の産地であって、深蒸しは関係ありません。

 深蒸しの沈殿成分ですが、普通に急須で淹れたお茶に溶けているカテキンやビタミンCの方が
圧倒的に、何千倍も量が含まれているわけです。
質量的に考えて、正直なところ、沈殿成分は誤差の範囲ですね。


追記します。
 マスコミのミスリードを正すのがネットでありますし、茶農家の良心に素直に従います。

 掛川市の試験結果を見ていますと、下のような図があります。
静岡県の西部地区が有意に低い傾向がありますね

ためしてガッテンを考察してみました。


 当方のお茶はいいとこ取りの「中蒸し」ですが、80秒~90秒蒸しなので、分類上は「深蒸し」になります。が、
ただし、某テレビ局の言うことの、深蒸しであることが良いという点は、根拠が薄いです。

 あの番組の中で、葉肉が厚く渋かったので蒸し時間を長くしたという表現は適切ですが、
カテキンの総量は、山間地も平坦地も1番茶はあまり変わりません。
あるデータでは深蒸しと普通蒸しを比べると0.25%程度の差のようですから、ほぼ変わりません。
(その分普通蒸しは旨み成分のアミノ酸が多く、繊維が少なく品質がよいです。)
強いて言えば、2番茶3番茶では変わって来ます。データでは埼玉<静岡<九州で、九州が一番多いです。

 深蒸しは成分が出やすくなっていますが、時間をかけて3煎まで飲めばカテキン成分に差がありません。
むしろ浅蒸しの方がやや多い結果も出ています。
また蒸し時間が長いと、カテキン等が流出するために、若干減りますが、これらも誤差の範囲です。

 したがって、深蒸しという部分は、裏づけがないので、NHKの製作者の考えと言っていいですね。

 ともかく、おいしくて気に入った煎茶を楽しくたくさん飲むことが一番ですね。


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この記事へのコメント
私も茶農家 掛川ではありませんが、
もっと単純に喜びませんか?
NHKでお茶が全国に放送されたことに
Posted by ショウ at 2011年01月19日 19:24
 ショウさん。

 煎茶が紹介されたことはよかったですよね。
私もうれしいです。
Posted by 鈴木猛史鈴木猛史 at 2011年01月19日 22:13
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    コメント(2)